道路交通法改正にかこつけて [ひとりごと…]
私の実家は都内の下町にあるのだが、平日はお勤め人で賑わっているこの町も、土日になると住民が少ないせいか静かで穏やかな町である。
私が結婚して実家を離れてから約15年、実家に車で帰る度に家の前に路上駐車をしている。
一方通行の路地で、路駐車があっても大型トラックも通れる幅がある。
土日の交通量は皆無で迷惑にもならない(はずである)。
その証拠に、この約15間、土日に関しては駐車違反も全くない平和な町でした。
しかし…。
6月より実施された道路交通法改正後の様子はと言うと…。
基本的にはまったく変わらない様です。ホッ…。
が、しかし……。
実家の前の路地で息子とドッチボールをして遊んでいたところ、この平和な町にパトカーがやって来て、なんと、私の車を調べ始めました。
警察官 「この車はおたくのですか?」
わたし 「そうですが」
警察官 「今日はどういうご用で?」
わたし 「実家に遊びに来ました」
むすこ 「授業参観に来たんですぅ!」
警察官 「そうか、そうだよね~、それでおじいちゃんのところに遊びに来たんだね~」
むすこ 「はい、そうです!」
警察官 「ご主人、すいませんけど免許証拝見させてもらえます?」
わたし 「なんで?」
警察官 「いや~、実は、通報があったんです」
わたし 「へぇ?通報!?」
警察官 「はい。実は道路交通法改正後によくあるんですよ。
実は、この通りは、昨日も通報がありまして…」
わたし 「昨日もこの通りに止まっていた車が通報された?こんなに見通しの良い路地なのに?」
警察官 「はい。一応、通報があった場合は現場に来なければいけないので…。
あの~、キップ切りませんから、免許証を…」
わたし 「わかりました…」
警察官 「恐れ入りますが、一応、近くの駐車場に移動願えますか?」
わたし 「はい、わかりました」
…通報?迷惑でもない路上駐車が取り締まられるとは、この町は…。
確かにこの町は最近変わってきた。
この下町はバブルの頃に先住民達が次々と郊外へ引っ越してしまい住民が減ってしまっていた。
私も生まれ育ったこの町が好きだったので、住み続けたかったのだが、バブル当時、車一台分の青空駐車場の月極が約10万するくらい土地の値上がりが凄かったので、アパートも含めマイホームなどはジャンボ宝くじが当たってもトントンと言うところか…。
住みたくても住めないのが現実だった。
ところがバブルがはじけて以降のここ近年、マンションが建ち並び、他の地域からの住人が多く住み始めました。
するとどうでしょう。町の雰囲気が微妙に変わってきました。
そして、今回、邪魔にもならない路駐車を道路交通法改正にかこつけて、通報して喜んでいるようなやからが住み着いてしまったのです。
昔は、カレー作ったから食べて~などと言っては、近所付き合いも下町らしかったのに…。
今でも、昔から住んでいる住民達の間にはそう言うのがありますが、ここ近年、越されてきた方々とは皆無の様です。
もちろん仕方のないことですが、通報して喜んでいるやからが住み着いたこの町は、もう終わりなのかも…。
もちろん、路上駐車は違法であり、警察の取り締まりによるものなら納得出来ますが、この15年間、取り締まれた事のなかった平和な町で、通報によりというところが悲しい。
荒んだ人間の住み着いてしまった町。
こうして、安住の地がなくなっていってしまうのかと思うと、先住民としては悲しい限りです。
悲しい世の中です。
自分が直接迷惑を被るわけでもないのに「通報」は、ちょっといじわるですね。
町は変わっていってるんですね。
by ふじくろ (2006-06-25 22:07)
大袈裟な言い方をすれば、治安の良い日本は、もはや伝説とかしてしまった様に思います。
by norinus (2006-06-26 13:26)